お仏壇の前で、お寺の本堂で、あるいはご法事やご葬儀の席で、私たちは手を合わせ、頭を下げます。あまりに身近な所作でございますので、改めて「正しい作法は」と尋ねられますと、かえって戸惑われる方も多いのではないでしょうか。
以前、焼香の作法をご紹介した際にも、「合掌し、お念仏を申したのち、礼拝いたします」という一節がございました。本日は、その合掌(がっしょう)と礼拝(らいはい)について、浄土真宗本願寺派の作法をご紹介させていただきます。
①合掌・礼拝とは
手を合わせると申しますと、願いごとをかなえていただくためにお祈りをする姿を思い浮かべられるかもしれません。けれども浄土真宗では、礼拝は祈ることではなく、仏さまのお徳をたたえ、敬うことであるといただいております。
阿弥陀さまへのごあいさつは、合掌・礼拝に始まり、合掌・礼拝に終わります。お仏壇の前でも、お寺の本堂でも、このことに変わりはございません。
②合掌の作法
お念珠(ねんじゅ)をお持ちの場合は、両手にかけ、親指で軽くおさえます。
指をそろえてのばし、両方の手のひらを静かに合わせます。
両ひじは張らずに軽く体につけ、合わせた手を胸の前に置きます。このとき、指先がおよそ四十五度、斜め上を向く形になります。
ご本尊を仰ぎ、「南無阿弥陀仏」とお念仏を申します。
肩やひじに力を入れる必要はございません。力まず、自然なお気持ちで手を合わせていただければと存じます。
③礼拝の作法
合掌をしたまま、上体をおよそ四十五度、静かに前へ傾けます。
ゆっくりと上体を起こし、元の姿勢に戻ってから、合掌をときます。
ご法事やお寺の法座など、導師(どうし)がいる場合は、導師の動きに合わせて行います。
なお、お仏壇にお参りされる際、合掌の前にお鈴(りん)を鳴らされる方がおられます。お鈴はお勤めのときに用いるものでございますので、合掌・礼拝だけのときは鳴らす必要はございません。
このように、合掌・礼拝の作法は、一つひとつを見ていくと決して難しいものではございません。形を整えることも大切でございますが、力を入れず、自然なお気持ちで、仏さまのお徳を仰がせていただく。その姿が合掌・礼拝ではないでしょうか。
合掌の際に手にかけるお念珠につきましては、次の記事でご紹介いたします。

