皆様、日々お念仏ご相続のことと存じます。
さて、本日は焼香の作法について取り上げたいと思います。
焼香と言えば、ご法事やお通夜、ご葬儀といったご縁の中で、皆様も経験されることがおありかと存じます。日ごろから行うことではございませんので、ご自分の順番が来た時に、どのような手順で焼香をすればよいのか迷われた経験はございませんでしょうか。
ひと口に焼香と言っても、実は宗派やご宗旨によって少しずつ作法が異なるのも、この焼香作法の奥深いところでございます。本日はこの焼香について、浄土真宗の立場から作法をご紹介させていただきます。
なお、先ほど申し上げましたように作法には違いがございますが、どのような場面であっても、ご自身が大切にされているお立場の作法で焼香なさるのがよいのではないかと存じます。
①焼香の作法

まずは、焼香台の前に進んで立ったまま行う場合の作法をご紹介いたします。
焼香台の一歩手前で、まず一礼をいたします。このときは合掌の必要はございません。
一歩進み出て、焼香台に正対いたします。
右手で抹香をひとつまみし、そのまま焼香炭の上にくべます。額に押しいただくような所作は必要ございません。また、くべる回数も一回で十分です。
合掌し、礼拝いたします。
一歩下がり、最後にもう一度一礼をして、自席へお戻りください。
浄土真宗では、抹香を額に近づけていただく所作や、一礼の際の合掌は不要とされております。回数や形にとらわれ過ぎず、一つひとつの所作を落ち着いて丁寧にお勤めいただければと存じます。
②回し焼香の作法

会場が狭い場合などには、香炉ののったお盆を順にお回しし、お座りのまま行う「回し焼香」という作法がとられることがございます。
お盆がご自分の前に回ってまいりましたら、まず一礼をいたします。
右手で抹香をひとつまみし、焼香炭の上にくべます。こちらも額に押しいただく必要はなく、一回で十分です。
合掌し、礼拝いたします。
もう一度一礼をしてから、次の方へお盆をお回しください。
お座りのまま行う作法ですので、まわりの方へのお心配りも大切になります。次の方が受け取りやすいよう、両手を添えて丁寧にお渡しいただければと思います。
このように、焼香の作法は一つひとつを見ていくと、決して難しいものではございません。大切なのは、形だけでなく、阿弥陀様やご先祖様への感謝とご縁を思うお心持ちでお勤めいただくことではないでしょうか。今後も折々に、こうした作法についてご紹介してまいりたいと思います。
